「知」の結集 ゆびすいコラム

2019.12.26

【幼児教育・保育無償化】そのお金使ってしまって大丈夫ですか? 資金繰りの注意点

令和元年10月1日から幼児教育・保育の無償化制度が開始されました。
 
今回は資金管理をされている会計担当者様へ無償化後の資金繰りの注意点についてご案内いたします。
 
無償化によって実費徴収することになった副食費の部分(4,500円)が10月分以降の公定価格から差し引かれることになりました。(実費徴収する副食費の金額は各施設で決められているかと思いますが、公定価格単価からは4,500円差し引かれます)
 
しかし、一部の行政ではシステムの仕様上まだ公定価格単価を変更(減額)せずに各施設に給付している市町村もあるようです。
公定価格の単価が9月と10月で変更されていない施設は、正しい給付額よりも多く入金されているということになります。
 
その部分は清算することになりますので、入金された金額だけを見ていつも通り消費してしまうと、資金収支差額が年度末でマイナスとなったり、場合によっては資金不足に陥るケースも考えられます。弾力運用のルールがある認可保育所では3%基準(※)を満たさないことにもつながり、思わぬ事務負担を強いられることも考えられます。。
 (※ 該当箇所は 下記URLの5/11の『3 前期末支払資金残高の取扱い』 https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/h290407/jisshi_zenbun1.pdf )
 
副食費徴収対象者を100人と仮定して計算してみましょう。
100人 × 4,500円 × 6ヵ月(10月~3月) = 2,700,000円
3月まで公定価格が修正されず年度末に精算するという場合の大まかな計算ですが、この場合2,700,000円を行政に返還しなくてはなりません。
 
まずは9月分と10月分の給付費の請求書を見比べてみての判断となります。
対象者の公定価格単価が減額されていなければ精算しなければならない可能性がありますので、お金の使い方には要注意です。後で返金しなければならないと理解していても、つい使ってしまう方もいるかと思います。
 
取り越し苦労になるかもしれませんが、予算や経営の見通しをたてるためにもこのように影響してくる法人は十分注意が必要です。無償化開始から数カ月経過し事務作業も落ち着いたところで思わぬ落とし穴に。なんてことにならないようお気を付けください。
 
名古屋事業部 飯見正太郎
 
 
教育・福祉事業