幼児教育の無償化が始まってからしばらく経ちましたね!
決算も近づいてきて、その準備の時期となりました。
さて今回は、幼児教育・保育の無償化により会計処理はどう変わるかお話いたします。
1.新制度未移行幼稚園(私学助成幼稚園)の場合
私学助成幼稚園はさらに保育料の受け取り方で『法定代理受領』と『償還払い』の2種類に分けられ、会計処理も異なります。
法定代理受領とは
自治体からは無償化分の金額を直接受け取り、保護者からは保育料から無償化分を控除した金額を受け取ることである。
償還払いとは
保護者が一旦保育料の全額を園に支払い、その後無償化分の金額を自治体へ請求することである。
それでは、法定代理受領と償還払いの会計処理についてそれぞれ見ていきましょう。
(1)法定代理受領の場合
法定代理受領の場合は、「施設等利用給付費収入」という科目を新たに設ける必要があります。
〇保育料として受け取る施設等利用費
【大科目】 「学生生徒等納付金収入」
【小科目】 「施設等利用給付費収入」(新設)
〇預かり保育事業利用料として受け取る施設等利用費
【大科目】 「付随事業・収益事業収入」
【小科目】 「施設等利用給付費収入」(新設)
保護者から徴収した分の保育料等は、従来どおり「保育料」の科目で処理をします。
(2)償還払いの場合
償還払いの場合は、会計処理に変更はありません。
受け取った保育料等の全額は従来どおり「保育料」の科目で処理をします。
償還払いは自治体と保護者との間のやり取りであり、園が会計処理上直接関わることがないため会計処理は変わらないのです。
2.新制度(施設型給付費)移行幼稚園(認定こども園等)の場合
新制度移行幼稚園の施設型給付費は、次の科目に計上します。
【大科目】「補助金収入」
【小科目】「施設型給付費収入」
令和1年10月分から幼児教育・保育の無償化に伴い、施設型給付費は増額されますが
従来の部分と増額の部分とで科目を分ける必要はありません。
つまり、新制度移行幼稚園も従来と同じ会計処理となります。
◆最後に
幼児教育・保育の無償化により会計処理が変わるのは、
私学助成の幼稚園かつ保育料を法定代理受領により受け取っている園となります。
また、副食費についてはこちらをご参考ください。
今後、より細かい会計処理の基準が制定されるかもしれません。
そのときに改正点などを説明出来たらと思います。
東京支店 柿崎萌