「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.02.18

会社設立の際の消費税の納税義務の判定

 消費税率の10%への引き上げおよび軽減税率の導入が始まって約5ヶ月
が経過しました。
 消費税のルールはますます複雑になっており、課税事業者にとっては
実務が煩雑になっているかと思います。
 そこで、そもそもどのような場合に課税事業者になり、どのような場
合に免税事業者になるのか、今回は新規に会社を設立した場合の消費税
の納税義務の判定について記載させていただきます。
 
 新規に会社を設立した場合、従来は資本金を1,000万円未満に設定し
て会社を設立すれば2年前の売上がないため、2年間は無条件で免税事業
者となっていましたが、平成23年度の税制改正によって、1年前の上半
期6ヶ月間の売上又は給与の支払額が1,000万円超であるならば、2年目
は課税事業者となりました。
 
 では、どうすればよいか?
 前事業年度が7ヶ月以下の場合、上半期6ヶ月間の判定が不要とされて
います。そこで、設立初年度の事業年度を7ヶ月以下になるように決算
期を決めれば、2年目も免税事業者とすることができます。
 会社の新規設立をお考えの際は、ご注意ください。
 
 ただし、上記の条件を満たせば2年間は免税事業者となるかといえば
そうではなく、平成24年度の税制改正によって、親会社(新規設立法人
の株式等の50%超を直接又は間接に保有している会社)の2年前の
課税売上高が5億円超の子会社は設立時から課税事業者とされましたので、
こちらも注意が必要です。 
 
 消費税の税率アップといい、納税義務者の改正といい、国は消費税の税収確保に力をいれています。
 また、令和5年10月よりインボイス制度が始まり、消費税の制度がますます複雑になっています。
 少しでも納税義務の判定を含め、消費税の制度に疑問をお持ちになら
れましたら、お気軽に担当者へご相談いただければと思います。
 
橘 拓也
 
 
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