「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.05.13

外国人労働者の源泉所得税の取り扱い

日本の生産年齢人口が減少の一途をたどっていく現在、特に介護業界や製造業は、労働環境などが影響し、人材確保が難しくなっていくと予想されます。
そこで近年、外国人労働者の雇用が増えています。
日本人でも難しい税務関係が外国人ではどうなるのだろうかと不安になると思いますので、今回は、外国人労働者の源泉所得税の取り扱いを簡単に紹介します。
 
1、居住者・非居住者を判断しよう
まず外国人労働者の源泉所得税を考える際、所得税法上、日本の居住者なのか、非居住者なのかを判断します。
・居住者・・・1年以上、日本に滞在することを予定
 →国内源泉所得が課税される(日本人と同じ課税体系)
・非居住者・・・1年未満の短期滞在を予定
 →原則:20.42%の源泉課税
 →特例:租税条約を結んでいる国であれば、その条約に基づく税率
 
2、扶養家族の取り扱い
国外に扶養家族がいる場合、その家族が所得税法上、扶養控除の対象になるかどうかは、以下の要件のすべてに該当する必要があります。
(1)本人と生計を一にする6親等内の血族、3親等内の姻族で年間の所得金額が48万円以下であること。
 →「親族関係書類」が必要
(2)正しい方法で送金が行われ、その送金額が家族の生活費として適正であること。
 →「送金関係書類」が必要
 
3、令和2年税制改正
令和5年1月1日以後に支払われる給与等から上記2の国外親族に係る扶養控除の適用要件が見直しされます。
(1)適用対象者
 現行:16歳以上
 見直し後:16歳上29歳以下、または70歳以上
 ただし、30歳以上70歳未満でも以下の①~③のいずれかに該当すれば扶養親族に該当します。
 ①留学により非居住者になった人
 ②障がい者
 ③その年における生活費または教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている人
 
 
以上が外国人雇用者の源泉のまとめです。
これから初めて雇う事業者が多くなってきますので、社会保険の手続きと共に確認しておきましょう。
 
堺OF 吉村 隆宏
 
 
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