「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.06.18

レジ袋の有料化に係る消費税

 最近は、コロナウイルスの影響により外食を控え、自宅で食事を行うためスーパーに行く機会が増えました。
そこで、ふと気になったのがスーパーで見かけた『レジ袋の有料化』の文字。
 内容をよく見ると、7月1日からレジ袋が有料化になるようです。レジ袋の追加料金、2円~5円。消費税10%が導入され、財布の紐がかたくなっている状況でレジ袋まで…と感じてしまいました。
 
 レジ袋有料化の主な理由は、資源・廃棄物制約や海洋ごみ問題、地球温暖化といった、環境問題に配慮するため、プラスチック資源の過度な使用を避けるためです。確かに、プラスチック製のストローから紙製のストローに移行している企業もあり、我々のライフスタイルも環境問題に配慮した意識改革が必要になります。
 
 では、有料化されたレジ袋に対する消費税はどうなるのでしょうか。
 
 プラスチック製買物袋有料化実施ガイドラインによると、プラスチック製買物袋を有償で提供する場合、中に入れる物にかかわらず袋については標準税率が適用されます。そのため、プラスチック製買物袋には10%の消費税が課税されます。
 
 つまり、購入した飲食料品は軽減税率対象となるため8%、有料化されたプラスチック製買物袋は10%で会計を行います。
 
 複数税率対応レジを導入し、プラスチック製買物袋の売上管理を個別で対応できる企業であれば決算時での消費税の計算も比較的容易です。
 しかし、軽減税率対象の売上しか想定していない企業では、標準税率が適用されるレジ袋の売上を集計するのは大変です。そこで、プラスチック製買物袋の売上管理の方法として、仕入枚数-残存枚数でプラスチック製買物袋の計算を行うことができます。消費税の計算は下記のようになります。 
 
 【前提】
売上……100,000円(飲食料品・レジ袋代金含む)
レジ袋の仕入枚数1,000枚、月末残存枚数200枚、レジ袋1枚の売値 5円
 
 【計算方法】
標準税率10%
 5円×(1,000枚-200枚)=4,000円 
軽減税率8%
 100,000円-4,000円=96,000円
  
 消費税額を計算するうえで、課税対象となる売上の内容が軽減税率対象の8%なのか、標準税率対象の10%なのか、もしくは、旧標準税率対象の8%なのかの集計は重要です。消費税の集計を行う際には、レジ袋にも注意して消費税の計算を行いましょう。
 
 岡山事業部  西村 将人
 
 
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