「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.08.18

キャッシュ・フロー計算書について

 今回は、財務諸表の一つである、キャッシュ・フロー計算書について説明させていただきます。
 キャッシュ・フロー計算書とは、一会計期間の企業の現金の増減を示したものであり、通常、C/Fと略されます。損益計算書だけだと、キャッシュの把握ができないため、それを補完するためにキャッシュ・フロー計算書が作成されます。
 
 キャッシュ・フロー計算書は、大まかにいえば①営業活動によるキャッシュ・フロー、②投資活動によるキャッシュ・フロー、③財務活動によるキャッシュ・フローの3つの区分があります。①は企業が主となる事業活動を行うことによって、いくらのキャッシュを生み出している、または食いつぶしているかを示しています。②は企業の設備投資、設備の売却、事業の投資等によるキャッシュの動きを示しています。③は、借入による収入、返済支出等、企業が財務活動を行うことによって得られる又は減少するキャッシュの状況を示しています。
 一般的には、本業によって得られる①の値がプラスであれば、プラスになったキャッシュを設備投資や借入金返済等に用いるということで、②、③の値がマイナスになったとしても、それは、将来への投資を実行し、財務体質の改善を図った結果ですので、優良企業であるといえます。
 
 キャッシュ・フロー計算書は損益計算書だけでは把握できない情報が色々と含まれており、非常に重要な情報になります。とはいえ、中小企業がキャッシュ・フロー計算書を作成することは基本的に要請されていないため、なかなかお目にかかる機会が少ないかもしれません。上場企業は作成・開示が義務付けられているため、上場企業のキャッシュ・フロー計算書を見て、各自分析してみるのも面白いのかなと思います。
 
橘 拓也
 
 
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