「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.12.03

医療機関でも使える優遇税制

資産取得の際に適用できる特別償却又は税額控除を認める制度のうち、医療法人でも適用できる制度について、どのような資産を購入した場合に適用できるかに重点を置いてお伝えいたします。
 
◆特別償却・税額控除(要件有)が選択可能な制度
1.中小企業投資促進税制
<メリット>
 取得価額×30%の特別償却or取得価額×7%の税額控除(出資持分のある医療法人の場合、出資金額3,000万円以下に限る)
<対象資産の要件> 取得価額70万円以上のソフトウェア
2.中小企業経営強化税制
<メリット>
取得資産の即時償却or取得価額×10%の税額控除(出資持分のある医療法人の場合、出資金額3,000万円超1億円以下であれば7%)
<対象資産の要件> 
①取得価額70万円以上のソフトウェア
②取得前に工業会証明書の取得(A類型資産)または投資計画に関する経済産業局に応じた確認(B類型)をした資産
③経営力向上計画の作成をした資産
※2020年5月に制度が拡充され、新たにデジタル化設備(C類型)も対象になりました。こちらは、事前に経済産業局による「デジタル化設備に関する確認書」の取得が必要となります。
 
◆特別償却が認められている制度
1.医療用機器等の特別償却制度
<メリット> 取得価額×12%の特別償却
<対象資産の要件>
①直接医療の用に供される機械・装置・器具備品
②一台の取得価額が500万円以上
③高度な医療の提供に資するものとして厚生労働大臣が指定するものまたは、高度管理医療機器等または一般医療機器として厚生労働大臣が指定したもの
2.勤務時間短縮用設備の特別償却制度
<メリット> 取得価額×15%の特別償却
<対象資産の要件>
①器具備品及び取得価額30万円以上のソフトウェア
②医療勤務環境改善センターの助言を受け作成し、都道府県による確認を受けた医師等勤務時間短縮計画に基づき取得した資産
 
上記の制度はいずれも医療機関が利用する場合は、対象資産の範囲が狭かったり対象資産の金額が高額であったりと必ずしも利用しやすい制度とは言えません。
だからこそ要件に当てはまる場合は積極的に利用するべきです。
中には事前の準備が必要な制度もあるので、資産を購入する場合は検討時にぜひご相談ください。
 
医療専門部 大阪OF 税理士 高瀬公子
 
 
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