新型コロナウイルス感染症拡大により、個人に対して給付金や助成金等(以下、助成金)の様々な支援策が実施されています。
受け取る助成金に対して課税関係が生じるのか、計上時期はいつなのかといった疑問が生じます。
今回は所得税上の【課税関係】と【課税時期】についてご説明いたします。
【課税関係】
▼非課税となるもの
次のような助成金(助成金には、商品券などの金銭以外の経済的利益を含みます。以下同じです。)は、非課税となります。
① 助成金の支給の根拠となる法令等の規定により、非課税所得とされるもの
例:特別定額給付金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金....
② その助成金が次に該当するなどして、所得税法の規定により、非課税所得とされるもの
・ 学資として支給される金品
例:学生支援緊急給付金....
・ 心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金
例:新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金....
▼課税となるもの
上記の非課税所得となる助成金以外の助成金については、次のいずれかの所得として所得税の課税対象になります。
① 事業所得等に区分されるもの(事業に関連して支給される助成金)
例:持続化給付金(事業所得者向け)、東京都の感染拡大防止協力金、医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業における補助金....
② 一時所得に区分されるもの
例:持続化給付金(給与所得者向け)、Go Toトラベル事業における給付金....
③ 雑所得に区分されるもの(上記①・②に該当しない助成金)
例:持続化給付金(雑所得者向け)....
【課税時期】
▼基本的な考え方
所得税の計算上、ある収入の収入計上時期については、その収入すべき権利が確定した日の属する年分となります。
国や地方公共団体により助成金等の支給が決定された日に、収入すべき権利が確定すると考えられ、原則として、その助成金等の支給決定がされた日の属する年分の収入金額となります。
▼特定の支出を補填するもの
ただし、助成金等が、支給要綱などで定められた特定の支出を補填するものについて、その支給を受けるために必要な手続をしているときには、
その支出と同時に、実質的に、助成金を受給する権利が確定していると考えられることから、その収入計上時期は、結果として、所得が生じることがないように、
その支出が発生した日の属する年分として取り扱うこととしています。
国や地方公共団体からの助成金は個別の事実関係によって、課税関係・計上時期を判断する必要があります。
もしご不安な方がいらっしゃれば、弊社までご相談ください。
堺OF 上田 香代子