「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.03.04

捺印不要から印紙税の廃止へ?

 皆様、目下、確定申告の手続きに時間を割いているところかと思います。毎年のことながら忙しくなる時期です。マイナンバーカードをお持ちの方は電子申告が簡単にできるようになったりしていて年々技術的には進化しています。
 
 新型コロナウイルス感染症の影響で、世間では文書のペーパーレス化、捺印の廃止が叫ばれました。そして令和3年度税制改正の大綱により申告書への捺印は不要となっております。(厳密には令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類が対象)しかし、すでに電子申告を行っている方にとっては大きな恩恵はないかもしれませんね。
 
 さて、捺印不要となり多くの書面に印鑑を押すことが急激になくなってくるわけですが、未だに捺印をしなければならないものをご紹介します。
それは収入印紙を貼付した後の消印です。この消印がないと印紙税を納税したことにはなりませんので、注意が必要です。
 
 消印とは、その収入印紙が使用済みであることを証明する役割を持ち、収入印紙への消印は必須となっております。ただし、消印とはいっても押印ではなく、署名(サイン)も認められています。捺印不要の流れから短絡的に印紙税不要論を唱えることは少し難しそうですね。つまり今後は契約書への消印はサインによるものが増えてくるのでしょうか。いや、そもそも文書の電子化つまりペーパーレス化に伴って印紙を貼付する機会も減ってくることになるのでしょうか。皆様くれぐれも消印を忘れないようご注意ください。
 
大阪OF 木村 宏二
 
 
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