「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.07.08

※中小企業者必見※  電子帳簿保存法の改正

電子帳簿保存法が改正されました。そのため、2022年1月1日より帳簿等の保存方法が大きく変わります。
 
そもそも、電子帳簿保存法とは1)電子帳簿保存制度2)スキャナ保存制度3)電子取引に係る保存制度の3つの制度をいいます。今回は、当該改正により全事業者に影響を及ぼすと考えられる "3)電子取引に係る保存制度"について以下記載いたします。
 
従前では電子取引(※1)を行った場合、当該取引情報を電子データで保存する代わりに、同情報を紙出力することで帳簿保存要件を満たしていました。しかし、同法令の改正により紙出力での保存が認められず、一定の要件のもと電子データで保存する必要があります。一定の要件とは、①見読可能装置(ディスプレイ等)の備付け②検索機能の確保③タイムスタンプの付与④システムの概要を記載した書類を備え付けることです。特に注意しなければならない要件が、②検索機能の確保及び③タイムスタンプ要件です。以下では、②及び③の説明をいたします。
 
②検索機能の確保:電子取引に係る情報を検索出来る状態をいいます。具体的には、「取引等の年月日」、「取引金額」、「取引先」の条件を組み合わせて、容易に検索できる状態で電子データを保存することをいいます(なお、判定期間(※2)の売上高が1,000万円以下の場合を除く。)。
 
③タイムスタンプ要件:次のいずれかの方法により保存することをいいます。
・電子データにタイムスタンプを付す方法
・データ訂正の履歴が残るシステム又は訂正削除できないシステムを利用する方法
・正当な理由なく訂正・削除を防止する事務規定を備付ける方法
 
コロナ禍において電子取引が非常に多くなりました。保存要件を確認していなければ思わぬ処罰(重加算税の加重措置等)を受けることとなりますのでご注意ください。
 
【注意点】
※1 電子取引:契約書等の取引情報の授受を電磁的方式により行う取引。具体的には、契約書等の取引情報を電子メールに添付して授受する方法等が挙げられる。
※2 判定期間:個人事業者は”電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から12月31日までの期間”をいう。法人は”電子取引が行われた前々事業年度”をいう。
※3 2021年7月5日時点の情報を基に記載しております。最新の情報につきましては、弊社までお問合せ下さい。
 
大阪事務所 野坂 悠太
 
 
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