「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.08.23

私立学校法の改正

 令和2年は、コロナ関係の助成金・給付金など学校法人の決算を行う上で注意すべき点がいくつかありました。その中でも、大学等の管理運営の改善等を図るため、「学校教育法等の一部を改正する法律」が令和元年5月 25 日に公布され、令和2年4月1日から施行されています。今回は、その改正に伴う私立学校法について、一部内容の紹介をします。
 
〇 学校法人から役員等に対する特別の利益供与禁止
私立学校法第26条の2には、学校法人は、その事業を行うに当たり、その理事、監事、評議員、職員等の関係者に対し特別の利益を与えてはならない。
例えば、特別な事情がないにもかかわらず、土地建物のような高額な資産を無償又は低廉な価格で譲渡・貸与 する場合や報酬規程等に基づかずに金銭を提供する場合など。
 
〇 競業及び利益相反取引の制限
理事は、理事が自己又は第三者のために学校法人と取引等を行うときは、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けることが必要。
 
〇 「役員に対する報酬等の支給の基準」について評議員会からの意見聴取
学校法人は、役員に対する報酬等について、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該学校法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めるとともに、当該報酬等の支給の基準に従って、役員に対する報酬等を支給しなければならない。
そのため、既に「役員に対する報酬等の支給の基準」に相当する規程等が作成されている場合は、令和2年4月1日までに評議員会の意見を聴き、「役員に対する報酬等の支給の基準」に相当する規程等がない場合には、令和2年4月1日までに「役員に対する報酬等の支給の基準」を作成することが必要。
 
 テレビなどを見ていても、学校法人のお金を理事長・園長が私的に流用……などの報道を見ることがあります。園の運営には、しっかりと法律に基づいた運営、そして、適正な会計の処理を心掛けましょう。
 
岡山事業部  西村 将人
 
 
教育・福祉事業