「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.09.28

認定医療法人制度の再延長

 今回は、いわゆる認定医療法人制度の再延長について、ご紹介します。まず認定医療法人制度とは、どのような制度であるか、簡単にではありますが、紹介します。
 
1、制度趣旨
 医療法人は、非営利性の徹底・地域医療の安定性の確保が求められていましたが、持分あり医療法人は、「出資持分の払戻し」の課題があり、事業の継続性が確保できないのではないかと議論されていました。
 その結果、この課題を解決すべく、平成18年に医療法改正が行われ、持分なし医療法人が誕生しました。しかし、持分あり医療法人が、持分なしに移行する際、課税が発生してしまいます。この問題を解決するため、大臣が認定した医療法人には、課税を発生させないように制度が設立されました。
 
2、内容
 持分あり医療法人が、一定の要件を満たすと、持分なし医療法人へ、課税が発生せずに移行できます。
 一定の要件は、8項目あるので、詳細は厚生労働省の「持分の定めのない医療法人への移行認定制度の概要」の8ページをご覧ください。
 
3、期待される効果
 持分あり医療法人が抱えていた「出資持分の払戻し」の課題が解決できます。
 
4、提出期限
 令和2年9月30日まで→令和5年9月30日まで延長
 
 この制度は、上記4に記載しているように、令和2年9月30日までに計画等の提出が必要でしたが、令和3年2月2日に国会提出の「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等改正の趣旨の一部を改正する法律案」にて、令和5年9月30日まで延長が決まりました。
 
 法律の期限が令和2年9月に切れたため、認定医療法人への移行の検討を止めていた医療法人は、再度、検討することが出来るようになりました。
 この制度は、非常に複雑ですので、実施される際は、ぜひ医療専門部にご相談下さい。
 
医療専門部 吉村 隆宏
 
 

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