「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.10.21

ノーベル賞の賞金

令和3年10月5日ノーベル物理学賞の受賞者に真鍋叔郎さんが選ばれました。二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデルを世界に先駆けて発表したことによるものだそうです。
気候分野が受賞の対象となるのは初めてとのことだそうで、世界的に気候の変動への関心がより高まっているということなのでしょうか。
 
ノーベル賞の賞金に関して気になったので調べてみたところ賞によって課税されるかどうかが違うようです。
具体的には、「物理学、化学、生理学・医学、文学、平和」に対する賞金は非課税で、「経済学」に対する賞金は税金がかかります。
 
この違いは賞金の財源による違いから生まれるものです。
所得税法第9条1項十三号ホでは「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」は非課税とされています。非課税対象である5分野に関しては条文にあるノーベル基金から支払われています。
しかし、経済学賞に関してはスウェーデン国立銀行から支払われているため、課税対象となります。
 
実は、経済学賞の正式名称は「アルフレッド・ノーベルを記念した経済学におけるスウェーデン国立銀行賞」でありノーベル財団は正式なノーベル賞と認めていません。それによりこのような違いが生まれています。
 
一般的にはノーベル経済学賞と呼ばれていますが実際にはこのような違いがあり、税金の取り扱いも変わっています。
 
ちなみに、賞金の使い道は今までお世話になった母校や地元又は、若い世代への育成費用として充てられることも多いようです。私も、周りの人に感謝の気持ちを持つと共に還元することができる人間になりたいと思いました。
 
大阪OF 松田 大輝
 
 
税 金