「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.10.25

令和3年分の年末調整書類の変更点

 今年も残り約2ヶ月となり、年末調整の時期がやってきました。
 令和2年分の年末調整では、所得税の改正等に伴う大幅な書類の追加や変更があったため、戸惑われた事業者様も多かったのではないでしょうか。
 令和3年分に関しては、令和2年分に比べると大きな変更はありませんでしたが、3つの変更点が加わりました。今回はその変更点について確認していきたいと思います。
 
(1) 税務関係書類における押印義務廃止
 令和3年度税制改正において、税務関係書類については、押印を要しないこととされました。そのため、扶養控除等申告書などの年末調整の際に使用する書類についても、従業員様に押印をしてもらう必要が無くなりました。
 
(2) 源泉徴収関係書類の電磁的提供に係る改正
 これまでは、年末調整申告書を従業員から電子データで回収する場合、事前に税務署へ「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、承認を受ける必要がありました。
 今回の改正では、次の申告書に関して、2021年4月1日以降に提出する分から事前承認が不要となりました。ただし満たすべき要件があるためご留意ください。
 
【対象となる申告書】
・ 給与所得者の扶養控除等申告書
・ 従たる給与についての扶養控除等申告書
・ 給与所得者の配偶者控除等申告書
・給与所得者の基礎控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
・所得金額調整控除申告書
・退職所得の受給に関する申告書
・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
 
【電子データで回収する場合に満たすべき要件】
・電磁的方法による提供を適正に受けることができる措置を講じていること
・提供を受けた記載事項について、その提供をした給与等の支払を受ける者を特定するための必要な措置を講じていること
・提供を受けた記載事項について、電子計算機の映像面への表示及び書面への出力をするための必要な措置を講じていること
 
(3) e-Taxによる申請等の拡充
 税務署長等に対する申請等のうち e-Tax によりその申請等に係る書面に記載すべき事項を入力して送信することができないものについて、書面による提出に代えて、スキャナにより読み取る方法等により作成した電磁的記録(いわゆる「イメージデータ」)を送信することにより行うことができることとされました。
 
堺事業部 上塚 未来
 
 
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