「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.12.16

勤務医の先生が使える!?特定支出控除

 勤務医の先生から「何か節税対策ないかな?」とご相談を受けるとき、いつも回答に迷います。勤務医の先生は、雇われの身ですので、サラリーマンと同様に給与所得者になります。この給与所得者が行う節税対策は、例えば、下記のようなものが考えられますが、数が限られます。
 
①iDeCoの加入による小規模企業共済等掛金控除を受ける。
②ふるさと納税を行う。
 そんな中、勤務医の先生だからこそ、受けられる可能性がある節税案として、「特定支出控除」があげられます。今回は、「特定支出控除」について、簡単にご紹介します。
1.特定支出控除の概要
 特定支出控除とは、特定支出の合計額が給与所得控除の1/2を超える場合、その超過額が給与所得の金額から控除される制度をいいます。
 給与所得者は、「給与所得控除」といって、法律で決められた必要経費の額があります。これは、あくまで概算額ですので、実際にかかった経費と比べて、実額の方が多いケースも存在します。その時に使うのが特定支出控除です。
2.特定支出について
 勤務医の先生が使う必要経費の例として、以下のような経費が考えられます。
(1)通勤費
(2)転居費
(3)研修費
(4)資格取得費
(5)帰宅旅費
(6)勤務と関連する図書購入費
(7)職場で着用する衣服費
(8)職務に必要な交際費
3.まとめ
 上記2で例示列挙した費用の合計額が、その年の「給与所得控除の額×1/2」を超えていれば、その超えた金額だけ特定支出控除を受けることができます。一方で、給与所得控除の額は、年収により変動するので、自分の年収から計算するか、お近くの税理士までご相談下さい。
医療専門部 吉村 隆宏

医 業