「知」の結集 ゆびすいコラム

2022.06.10

税金を滞納したらどうなる?

先日、山口県の阿武町でコロナ関連の給付金4,630万円が誤送金となり、その返還を巡り大きな話題となりました。
この事件で「国税徴収法」がツイッターのトレンドに入るなど注目を浴びることになりました。
ここでは国税徴収法とはどういった仕組みなのか、特に滞納処分の流れについて簡単にご説明いたします。
 
国税徴収法とは、その名の通り本来払うべき「国税」を納付期限までに納付しなかった場合、滞納処分や徴収などの手続きを定めた法律です。
また、国税だけでなく固定資産税などの地方税や社会保険料、国民年金の未納の徴収にも国税徴収法の規定が準用されます。
阿武町の誤送金事件でも、誤送金された男に国民健康保険の未納があった為、国税徴収法が準用されました。
滞納処分等の基本的な流れは以下の通りです。
 
◇督促及び催促
納付期限までに納付がない場合、納期限から20日以内に督促状が送付されます。
督促状が発行された日から10日以内に納付がない場合、財産の差押えなど滞納処分となります。
 
◇財産調査等
督促や催促を行っても納付がない場合、滞納者の勤務先などの身辺調査や銀行口座、不動産等を調べられます。
国税徴収法は調査権がある為、個人口座を照会する権限を持つため徹底的に調査されることになります。
また、財産調査で財産が見つからなかった場合、予告なく自宅や事務所等に立ち入り捜査が行われます。
 
◇差押え及び換価
財産調査で発見した滞納者の財産を差し押さえます。差押えを行った場合、財産によっては滞納者本人だけでなく、
差押えらえれる財産の利害関係者(例えば差押えが給与の場合は勤務先、預貯金の場合は金融機関)へも差押通知書が送付されます。
ちなみに、衣服や寝具、家具など債務者が生活に不可欠なものや現金66万円までなどは差し押えることができません。
差押えされた財産はインターネットや入札により公売により金銭に換え、その金銭で未納の税金等に充てられます。
 
いったん財産を差し押さえられると、原則として税金等が完納されない限り解除することができません。
税金の支払いが困難である場合は、納税の猶予や換価の猶予、分納などの制度があります。
期限内に税金の支払いが困難な場合は、まずは早急に税務署や市役所に相談して下さい。
 
堺OF 小畑
 
 
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