「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.10.19

売手負担の振込手数料にかかるインボイス発行義務

令和5年10月よりインボイス制度が開始されました。
始まったばかりでまだまだ不安があるのではないでしょうか?
 
今回は、売上代金を請求する際に、売手が負担する振込手数料の取扱いについてご紹介いたします。
 
振込手数料の処理方法としては、取引当事者間の契約関係等により、次のように対応が分けられます。
 
①売手が振込手数料相当額を売上値引きとする場合
②振込手数料について売手が買手から「代金決済上の役務提供」を受けた対価とする場合
③買手が売手のために金融機関に対して振込手数料を立替払したものとする場合
 
①の場合
原則として、買手に対して返還インボイスを交付する必要があります。ただし、1万円未満の少額な売上値引等は返還インボイスの交付が免除されています。
したがって、振込手数料を売上値引として処理する場合は、返還インボイスの交付は不要です。
 
②の場合
買手から受けた代金決済上の役務提供に対する対価について、買手からインボイスの交付を受けなければ、仕入税額控除ができません。
 
③の場合
買手が金融機関から受け取った振込手数料に係るインボイス及び買手が作成した立替金精算書等の交付を受けなければ、売手は仕入税額控除ができません。
なお、買手が金融機関のATMを使って振込手続を行った場合、当該ATM手数料は自動販売機特例の対象となりますので、買手が金融機関から受け取ったインボイス及び買手が作成した立替金精算書等の保存は不要となります。
 
上記のうち、①の方法が最もシンプルでおススメです。
インボイスに関しては、多数のQ&Aが国税庁から公表されています。詳しくは、下記HPをご参照ください。
 
大阪事業部 本川 竜
 
 
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