「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.11.27

法人の青色申告によるメリット

 法人が青色申告を行うためには「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要がありますが、申請にそれほど手間はかかりませんし、手数料も必要ありません。また、この申請を行う事で大きなメリットがいくつか生じますので、特段の事情が無ければ必ず承認申請を行って下さい。
 
 法人が青色申告により享受できるものとして、主に以下のようなメリットが挙げられます。
 
①赤字を10年間繰り越して黒字と相殺し、税金を減らすことができる
②前年が黒字で当期が赤字の場合に、前年の納税額の一部を還付請求できる(①との選択)
③中小企業者等は、年間300万円までに限り、30万円未満の少額資産を購入年度に全て費用に算入することができる
④資本金が3,000万円以下の中小企業者等は、一定の設備投資を実施した際に「税額控除」または「特別償却」のいずれかを適用できる
 
 上記に挙げたもの等、多数の優遇税制があります。
 
 特に赤字と黒字が数年ごとに入れ替わるような企業に関しては、①のメリットが非常に大きいです。
 
 デメリットとしては、記帳義務など事務の手間が増えることですが、デメリットと言うほどのものではありません。また、申告期限を守らないと青色承認を取り消されますので、その点は注意が必要です。
 
 現在稼働中の法人における青色申告制度の普及率は90%を超えており、今後は申請書提出等の手続が無くなり、税制が簡素化される日が来るかもしれません。
 しかし、現状では青色申告の制度は存続しています。期限内の申請を心掛けて節税のメリットを享受できるようにしましょう。
 
東京OF 内山
 
 

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