「知」の結集 ゆびすいコラム

2024.08.23

新たな継続的な見える化制度

 幼稚園・保育所・認定こども園などの経営情報等を公表する制度である『新たな継続的な見える化制度』が始まります。
『子ども・子育て支援制度における継続的な見える化に関する専門化会議』の報告書の内容をもとに、制度の内容、目的、期待される効果をまとめました。
 
まずは制度の内容についてです。
対象者は、子ども・子育て支援法に基づく子どものための教育・保育給付を受ける全ての施設・事業者※で、令和6年4月1日以降、毎事業年度の経営情報等(収益・費用、職員給与状況等が想定されています)を都道府県知事に報告しなければなりません。
※私学助成の対象となる私立幼稚園、特別支援学校、預かり保育事業、認可外保育施設等の施設等利用費の支給に係る施設・事業者として確認する子ども・子育て支援施設等は対象者に含まれません。
 
この情報公開制度の目的は主に3つあります。
①幼稚園・保育所・認定こども園等の施設・事業者の経営情報の公表やデータベース化等の継続的な見える化の仕組みの構築を進め、処遇改善や配置改善等の検証を踏まえた公定価格の改善を図る
②行政機関における、幼児教育・保育が置かれている現状・実態に対する国民の正確な理解の促進、社会情勢や経営環境の変化を踏まえた的確な支援策の検討、経営情報の分析を踏まえた幼児教育・保育政策の企画・立案等の実現
③情報公表の充実を図ることにより、行政機関のみならず、保護者や子育て家庭、保育士等の求職者の意思決定の支援や、施設・事業者の経営分析・改善の促進、研究者による学術研究や政策提言の活性化等
 
また、この制度により期待される効果には下記が挙げられます。
①保護者や子育て家庭にとって、施設・事業者の比較・検証を可能とし、自身のニーズに適した子育て支援の選択を支援
②保育士等の求職者にとって、施設・事業者の比較・検証を可能とし、職場の選択やキャリアの検討を支援 
③施設・事業者にとって、業界全体や同じようなカテゴリーの平均的な経営指標を参考とすることで、自ら行う経営分析・改善等を促進
④研究者による学術研究や政策提言、民間の支援団体等による第三者的見地に基づく幼児教育・保育に資する施策の企画・立案・検証の活性化
 
今後、こども家庭庁において報告様式、公表様式及びマニュアル等が策定されます。新たな情報が公開され次第、情報発信していこうと思います。
 
税理士法人ゆびすい 岡山支店 川口 智史
 
 
教育・福祉事業