「知」の結集 ゆびすいコラム

2024.10.31

人材採用で支給する交通費に係るインボイスの取扱い

 人材採用の際、内定者や採用面接者に対して交通費を支給することがあるかと思います。令和5年10月1日より導入されたインボイス制度では、支給する対象者ごとにその取扱いが異なるため、注意が必要です。
 
1.内定者に支給する交通費
 内定者のうち、企業との間で労働契約が成立している者に対して支給する交通費は、出張旅費特例の対象となります。出張旅費特例とは、従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当について、一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例です。
 したがって、内定者に対して支給する交通費については、帳簿のみの保存で仕入税額控除が受けられ、インボイスの保存は不要となります。
 
2.採用面接者に支給する交通費
 出張旅費特例は従業員等に支給する交通費に限られます。採用面接者は通常、従業員等に該当しないため、支給する交通費については、出張旅費特例の対象にはなりません。
 したがって、採用面接者に支給する交通費について仕入税額控除を受けるには、採用面接者が交付を受けたインボイスの提出を受け、それを保存する必要があります。(宛名として採用面接者の氏名が記載されている場合には、原則として、立替金精算書の保存も必要となります。)
 
 同じ交通費でも誰に対して支給するかによりインボイスの対応が変わってきます。 インボイス制度導入から一年が経過し、実務処理にも慣れてきたと思いますが、お困りの事がございましたら、一度弊社の担当者までご相談ください。
 
 
岡山事業部 北 優人
 
 
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