「知」の結集 ゆびすいコラム

2024.11.28

保育士等の処遇の抜本的な改善。令和6年度は過去最大10.7%増額改訂へ

現状からの「大脱却」を図る、抜本的な保育士等の処遇改善を目的とし、今年度の人事院勧告を踏まえた人件費の改定は過去最大の増額となることが分かりました。

長く働くことができる職場環境の構築や、質の高い教育・保育を安定的な供給を目的としてこれまでも加算などの形で処遇改善が行われてきました。
 
今回は公定価格内の人件費の単価自体が見直される改訂となり、その規模が単年で大幅に増額されることになります。昨年度も同じ人件費の部分に5.2%増という大きな公定価格の改訂があったばかりです。
 
処遇改善Iを実施されている事業者様は、賃金改善要件分として例年支給されている金額が6~7%相当の金額にあたりますため、毎年支給している金額と比較していただきますと、今回の改訂規模の大きさを実感していただけるかと思います。
 
この件について令和6年11月22日に、三原大臣が記者会見で次のように述べています。
 
〇会見要旨
 
今回保育士等の人件費を「10.7%」引き上げ、現状からの大脱却を図る抜本的な処遇の改善を行います。これは、現行の子ども子育て支援新制度において過去最大の引き上げとなります。
何よりも未来を担う子どもたちのため、この国の未来のためにも現状から大きく脱却して飛躍的に前進させるべくこのような措置を講ずることとしました。今回の措置により保育士等の処遇が抜本的に改善され、 保育の質の向上につながることを強く期待しています。
なお今回の「10.7%」という改善の効果は 現場で働く保育士等に確実に行き届き、その効果を実感していただかなければ意味がありません。これについては各自治体を通じて、各園の運営に携わる方々にしっかりとお願いをして参りたいと思います。
以上、会見要旨。
 
大臣も述べられているように、教育・保育に従事されている方に適切に支給することが求められています。
 
今年度の改訂分は暫定的に一時金などでの支給を検討する必要がありますが、次年度以降につきましても適切に支給を継続する必要があります。改訂年度以降も対応が必要になるため、管理上の問題解決のためにも給与表の見直しなどを検討されてみてはいかがでしょうか。
 
税理士法人ゆびすい 仙台支店 佐藤大樹 
教育・福祉事業