昨今の幼保業界は【働き手不足】といった大きな問題を抱えております。その要因として労働環境や労働条件などが挙げられ、改善策として処遇改善や配置基準の見直しなどが行われるようになりました。これらの策により【働き手不足】の改善が進んでいると考えられますが、人材獲得競争が行われるなど、十分に効果が出ているとは言えない現状にあるかと思います。
その様な情勢の中、より良い教育・保育を提供するために人材確保へ力を入れている関与先様から、【社員紹介制度】について質問を受ける機会が多くなりました。
主な採用手段として、ハローワーク・求人広告・人材紹介などが見受けられますが、採用コストがかさんでしまう問題も生じてしまいます。これらのコストを抑えるために【社員紹介制度】へ興味を持たれるところが今後増えていくのではないかと考えられますので、今回は【社員紹介制度の課税関係】について解説していきます。
■税務上の取扱い
社員紹介制度による報酬は、給与として所得税を源泉徴収する必要があります。
■根拠
《職業安定法第40条》
労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可(厚生労働大臣の許可)に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。
要約すると、
「社員紹介を行う許可のない者に対し報酬を支払うことは禁止されているが、その社員に対し適正な給与という形で支払うならば問題がない」と読み替えることができます。
給与として支給するためには就業規則や給与規程を整える必要がありますが、働く姿勢や人間関係の面でも、社員紹介制度により採用された職員は評判が良いとの声をよく聞きます。
まだ導入されていない法人様は、検討されてみてはいかがでしょうか。
税理士法人ゆびすい 名古屋支店 加藤 芳和