「知」の結集 ゆびすいコラム

2025.01.30

暗号資産(仮装通貨)の申告について

 2025年も1月が終わり、春が待ち遠しい季節になりました。

 アメリカでは1月にトランプ氏が大統領に就任し、暗号資産に関する大統領令に署名するなど、暗号資産に注目が集まっているかと思います。
そこで今回は暗号資産(仮装通貨)の申告についてご紹介いたします。
 
暗号資産取引で生じた利益は「雑所得」に該当し、「総合課税」という方式で課税されます。給与所得等の暗号資産以外で得たほかの所得との総額に対して課税されます。
総合課税方式の税率は、所得が多くなるほど税率が上がる累進課税方式のため、総所得に応じた税率で税金が計算されることになります。
 
所得税の確定申告対象となるのは、次の場合です。
・暗号資産の取引で年間の利益が20万円を超えた場合
・暗号資産の取引で得た利益が20万円以下でも、給与所得や退職所得以外の所得金額との合計が年間20万円を超えた場合
・医療費控除・ふるさと納税などの制度を利用する場合や、給与以外の収入で確定申告を行う場合
  
 暗号資産の利益とは、1年間の取引で発生したすべての損益を合算し、そこから必要経費を差し引いたものになります。暗号資産の損益計算には「移動平均法」と「総平均法」の2つの方法があり、申告の際にいずれかを選択する必要があります。評価方法を変更する場合は、変更しようとする年の3月15日までに「所得税の暗号資産の評価方法の変更承認申請書」を提出する必要があります。
 
 この暗号資産の損益計算ですが、自力で計算するのはとても大変です。そこで国税庁HPに掲載されている、仮想通貨の計算書をご活用されることをお勧めいたします。取引所から発行される年間取引報告書の情報を基に仮想通貨の計算書に必要事項を記載すると、年間の損益を計算することができます。
 
 しかし取引所によっては、年間取引報告書がない場合もあり、自力で計算する必要が出てきます。今後暗号資産の取引を始められる際には、どの取引所を活用するかを決める要素として、「年間取引報告書が発行されるか」を考えていただくのもよいかもしれないですね。
 
税理士法人ゆびすい 大阪事業部 本川竜
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