「知」の結集 ゆびすいコラム

2025.02.05

投資の意思決定

投資の意思決定を行う際に、ファイナンスという手法を用いる場合があります。

投資の評価方法として①NPV法、②IRR法、③投資回収期間法などがあります。これらはすべて事業から生じるキャッシュフローに着目した手法です。
 
では、なぜ利益ではなくキャッシュフローに着目するのでしょうか。私たちがよく目にする財務諸表は会計上のルールに従って作られており、その簿価は評価方法によって変わるため、必ずしも市場価値を表しているとは限らないからです。その点、キャッシュは企業活動の結果として生まれるものであるため事実を反映しています。
そのため、投資の意思決定を行う際には、ファイナンスというツールが一つの判断材料として用いられます。
 
ただし、ここで注意が必要です。ファイナンスはあくまでも定量的な分析です。例えばこれまで外注していたものを内製化した場合、外注していたときと同じ品質を維持できるかなど、投資の意思決定を行う場合にはコスト以外の課題も生じてきます。企業が事業を遂行する上で優先すべきもの(品質、ブランドイメージなど)を勘案しながら総合的な決断をすることが重要です。
 
(参考)
①NPV法…投資キャッシュフローの現在価値から初期投資額を引いた差額により投資の意思決定をする方法。
②IRR法…NPVがちょうどゼロになるような割引率を逆算し投資の意思決定をする方法。
③投資回収期間法…投資した金額が何年で回収できるかにより意思決定をする方法。
 
税理士法人ゆびすい 堺事業部 野田 悠葵
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