「知」の結集 ゆびすいコラム

2025.04.02

小規模事業共済制度と経営セーフティ共済

小規模事業共済は、中小機構が運営している個人事業者や小規模企業の経営者や役員などのための積み立て退職金制度です。掛金はその全額を所得控除することができるので、将来に備えつつ節税することもできるという制度です。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)も中小機構が運営しており、こちらは取引先の事業者が倒産したことによって発生する連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度であり、掛金を必要経費、又は損金(法人の場合)に計上することができるだけではなく、条件付きではありますが回収困難となった債権等の額を無担保、無保証人、無利子で借りることができるという特質があります。(小規模事業共済にも借入制度があり、低金利ではありますが利子の支払いがあります。)
 
なお、経営セーフティ共済に関しては令和6年10月1日以降に共済契約を解約し、再度共済契約を締結する場合はその解約の日から2年を経過する日までの間に支出する掛金については必要経費又は損金に算入できなくなってしまいました。それでもなお中小企業者にとっては非常に有効な制度であることに間違いありません。
 
ここで、それぞれの制度の解約時の相違点を確認しましょう。小規模事業共済は退職・廃業時に受取が可能になり、満期や満額はなく共済金の受け取り方も分割や一括、その併用と自由に選ぶことができます。
経営セーフティ共済に関しては、40か月以上の掛金で解約時に共済金を満額受け取ることが可能であり、受け取り方法は一括のみとなっています。
 

将来的なキャッシュアウトに備える方法として、投資や貯金、保険など様々な手段がありますが、上記の制度を活用することも有効な手段の一つとなるので、これらの制度の利用を検討してみてもいいのではないでしょうか。

税理士法人ゆびすい 堺事業部 今道一瑳
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