「知」の結集 ゆびすいコラム

2025.06.16

公益法人における源泉徴収

 源泉所得税の納期の特例の適用を受けている法人におかれましては、来たる令和7年7月10日(木)が1月から6月までに徴収した源泉所得税の納付期限となっています。原則的な納付をされている法人は毎月納付となっていますが、今回は特に公益法人における源泉徴収の注意点について確認しましょう。
 
○認可保育所の嘱託医
 認可保育所において、法人形態でない嘱託医に対価を支払った場合、どのように源泉徴収をされていますでしょうか?
 認可保育所では、児童福祉法及び同法の規定に基づく児童福祉施設最低基準により嘱託医の設置が義務となっており、認可保育所は嘱託医と委嘱契約を結ぶことになります。但し労働者派遣法によって医師の派遣は禁止されていますので、通常、嘱託医は認可保育所の組織上、職制の一部として位置付けることが妥当だといえます。したがって、基本的にはその対価を給与所得として源泉徴収(通常、非常勤ですので乙欄適用)をするのが適当だといえるでしょう。
 
○学校(園)医・学校薬剤師等
   学校が支払う、法人形態でない学校(園)医、学校歯科医及び学校薬剤師に対する対価についても同様です。幼稚園や学校には、学校保健安全法により学校(園)医等の設置が義務付けられています。認可保育所における嘱託医と同様、その対価を給与所得として源泉徴収(乙欄適用)するのが良いでしょう。
 

   なお、納期の特例の適用の対象は給与や退職金から源泉徴収した所得税等と、税理士や司法書士等の一部の士業の報酬から源泉徴収した所得税等に限られます。そのため、給与所得として取り扱った嘱託医等に対する対価は、納期の特例を適用することが可能です。また、年末に職員と同様、源泉徴収票の作成・交付義務が発生することにご注意ください。今後の源泉事務の参考になれば幸いです。

税理士法人ゆびすい 京都支店 M・K

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