「知」の結集 ゆびすいコラム

2026.06.24

企業内保育所の委託料に係る消費税の取り扱い

近年、日本の少子化はかつてないスピードで進行しています。

厚生労働省が公表した人口動態統計によると、2025年の出生数は67.1万人となり、10年連続で過去最少を更新しました。

少子化の背景にはさまざまな要因がありますが、その中の1つとして共働き世帯の増加による子育て環境の課題があります。

子育てと仕事との両立が求められる中、課題解決の一助となっているのが企業内保育所など(企業主導型保育施設)です。

その仕組みは企業が保育事業者へ委託料を支払い、保育所の運営を委ねるというものです。
 

では、この企業が保育事業者へ支払う委託料について、消費税の取り扱いはどうなるのでしょうか。

国税庁は、2024年11月に企業主導型保育施設の運営に係る委託料について、一定の要件を満たす場合には「非課税」に該当するとの見解を示しました。

【参考】企業主導型保育施設の運営を委託した場合の消費税の取扱い

これは、児童福祉法に基づく届出が行われており、都道府県による立入調査を受けたうえで、証明書の交付を受けている施設は「社会福祉事業として行われる資産の譲渡等に類するもの」とみなされるためです。

そのため、企業側としては委託料を課税仕入れとして処理していないか、保育事業者側としては課税売上げとして処理していないか、それぞれ見直しが必要となります。

また、保育事業者側としては、委託料が「非課税」となることで減少する"消費税の納付額"を、"委託料に含まれている消費税額"が上回るケースも少なくないと考えられ、収支の悪化も懸念されます。

長期的な事業継続のため、委託料の設定や契約内容まで見直しの範囲を広げ、十分に協議しながら進めることが重要になりそうです。

 

税理士法人ゆびすい 名古屋支店

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