2026.06.29
「税務調査では帳簿や決算書を確認される」と考えている方は多いかもしれません。
しかし、実際の調査では帳簿だけでなく、その取引を裏付ける証憑書類なども重要な確認対象となります。
税務調査では、帳簿に記載された内容が実際の取引に基づくものか、また、その内容が適正かどうかを確認するため、請求書や領収書のほか、取引内容に応じて契約書、見積書、発注書、納品書などの提示が求められます。
これらの書類を照らし合わせることで、どのような取引が行われたのか、契約内容と請求内容に相違はないか、支出が事業に関係するものかなどを確認します。
また、現在は紙の書類だけでなく、メールで受領した資料や電子契約など、デジタルデータによる取引も一般的になっています。
電子帳簿保存法への対応も踏まえると、電子で受領した取引情報は、一定の要件のもとで電子データのまま保存する必要があります。
さらに、帳簿や請求書等を適切に保存することは、税務調査への備えだけでなく、消費税の仕入税額控除を受けるための要件の一つでもあります。
なお、電子契約など電子データで作成・締結した契約書は印紙税の課税対象となりませんが、紙で作成した契約書は契約内容によって印紙税が課される場合があるため、適切に管理しておきましょう。
例えば、高額な設備投資を行った場合には、上述の契約書等に加えて、社内の稟議書や取締役会議事録など、取引の経緯を示す資料が整理・保存されていれば、一連の取引をスムーズに説明できます。
一方で、関係する資料が不足している場合は、取引内容について追加の説明や関連資料の提示を求められることがあります。
また、令和8年4月以後に開始する事業年度からは、一定の関連者間取引について、対価の算定根拠を示す書類の保存が求められる制度が導入されています。
対象となる取引で必要な書類が保存されていない場合には、青色申告の承認取消しの対象となる可能性もあるため、関連書類を適切に整理・保存しておくことが重要です。
税務調査では、申告内容が適正かどうかを確認するため、その裏付けとなる書類の管理状況も確認されます。
請求書や領収書だけでなく、取引内容に応じた契約書や見積書なども整理し、必要なときにすぐ取り出せる状態にしておくことが、円滑な対応につながります。
日常の書類管理は、税務調査への備えだけでなく、社内での情報共有や取引内容の確認にも役立ちます。
この機会に、自社の証憑書類の管理方法を改めて確認してみてはいかがでしょうか。
税理士法人ゆびすい 京都支店
