「知」の結集 ゆびすいコラム

2026.07.03

相続で困らないために知っておきたいデジタル遺産

スマートフォンやインターネットが生活の一部となった今、「デジタル遺産」という言葉を耳にする機会が増えています。


デジタル遺産とは

デジタル遺産とは、インターネット上や電子機器に保存された財産や権利をいいます。

例えば、

・インターネット銀行の預金
・ネット証券の株式
・暗号資産(仮想通貨)
・電子マネーやポイント

などが代表的です。

現金や不動産のように目に見える財産とは異なり、家族であっても存在に気付きにくいことが、デジタル遺産の大きな特徴です。また、存在する可能性に気づいても、確かめられないというケースもあります。

私自身も経験のある事例ですが、急にお亡くなりになった方の相続人が、被相続人のスマートフォンのロックを解除できず、インターネット銀行の有無を確認できなかったことがありました。


その結果、

・相続財産の把握が遅れる
・相続税の申告漏れにつながる
・利用していないサービスの料金が引き落とされ続ける

といった問題が生じることがあります。


相続手続きについて

デジタル遺産も、基本的には他の財産と同様に相続の対象です。

ネット銀行や証券会社では、戸籍や遺産分割協議書などの必要書類を提出し、相続手続きを行います。手続きの流れ自体は通常の預貯金等と大きく変わりませんが、まず「その口座が存在すること」を把握できなければ、手続きを始めることができません。

また、SNSやサブスクリプションなどは、各サービスごとに解約や承継の方法が異なります。放置すると利用料金が発生し続ける場合もあるため、早めの確認が重要です。


生前からできる備え

デジタル遺産のトラブルを防ぐためには、生前の準備が何より大切です。

例えば、

・利用している金融機関やネット証券を一覧にしておく
・IDやパスワードそのものではなく、「どこに記録しているか」を家族が分かるようにしておく
・定期的に利用しているサブスクリプションを整理する
・遺言書やエンディングノートにデジタル資産の概要を記載しておく

といった対策が有効です。

相続では、「ある財産をどう分けるか」だけでなく、「財産を漏れなく見つけること」も重要です。

デジタル化が進む今だからこそ、一度、ご自身の「見えない財産」を整理してみてはいかがでしょうか。

 

税理士法人ゆびすい 相続専門部

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