「知」の結集 ゆびすいコラム

2026.08.04

災害に直面した時、税金はどうなる?

この度、令和8年7月28日に発生した令和8年熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
 
今回は、予期せぬ自然災害に遭った際に利用できる税制上の支援制度について、個人の生活に関わる所得税と、事業者を支える法人税の措置、申告・納付期限の延長制度をご紹介します。

1.個人の生活を守る「所得税」の特例

①雑損控除
住宅用家屋や生活に通常必要な家財などが被災したことにより生じた損失額・撤去費用などについて、一定の方法で計算した金額を所得から控除できます。なお、その年の所得から控除しきれない損失額が生じた場合には翌年以降3年間にわたって繰越控除が可能です。
 

②災害減免法による所得税の軽減免除
災害によって被害を受けた住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除きます。)がその時価の2分の1以上、かつ、被災した年の合計所得金額が1,000万円以下であることを要件として、次の区分に応じ所得税の軽減または免除を受けることができます。

 合計所得金額が500万円以下・・・所得税の全額を免除
 合計所得金額が500万円超~750万円以下・・・所得税の2分の1を軽減
 合計所得金額が750万円超~1,000万円以下・・・所得税の4分の1を軽減

※上記雑損控除と災害減免法は併用できないため、有利な方を選択して適用します。
 

③住宅ローン控除
住宅ローン控除の適用を受けていた住宅が災害により住めなくなった場合でも、一定の要件を満たせば住宅ローン控除を継続して受けられる場合があります。
 

2.事業の再建を支える「法人税」の措置

①評価損の計上
災害により被害を受けた固定資産や棚卸資産の時価が帳簿価額を下回った場合には、一定の要件のもと、帳簿価額と時価との差額を評価損として損金の額に算入することができます。
 

②災害損失特別勘定の設定
災害により被害を受けた固定資産や棚卸資産の修繕などに必要となる費用を合理的に見積もった場合、一定の要件のもと、その見積額を損金の額に算入することができます。
 

3.申告・納付期限等の延長(所得税・法人税共通)

災害が発生した場合には、被災者の負担軽減を図るため、国税庁が地域を指定して申告・納付期限を延長したり、災害により期限までに申告・納付ができない方について税務署へ申請することで期限の延長が認められる場合があります。
なお、令和8年8月3日時点では、国税庁から熊本県全域などを対象とした「地域指定による一律の期限延長」は公表されていません。
現時点では、被災により期限までの手続が困難な方が、個別に期限延長を申請する方法が原則となります。
申告期限が自動的に延長されていると誤解されないよう、十分ご注意ください。
災害時には、まず何よりも人命の安全や生活・事業の再建が最優先です。一方で、税制上にも被災者や事業者を支援するさまざまな制度が設けられています。
適用の可否や手続きに迷った場合は、弊社担当者へお気軽にご相談ください。
また、万が一に備え、この機会に利用できる税制上の支援制度について、確認しておくことをおすすめします。
 

税理士法人ゆびすい 医療介護専門部

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