節目、と言う言葉があります。物事の区切り目という意味ですが、ことビジネスは節目に対して発生することがあります。
例えば、我々の会計事務所は決算、確定申告という節目のお手伝いをさせていただいております。
しかし、昨今はその節目というものが重要視されていないと感じます。
例えば、オリコンの上位を占める女性アイドルグループの歌詞にはたいてい、夢だとか恋だとかが歌われるのですが、それは節目の間にある過程であって、結論でもなければ結果でもありません。
ただ人間というのはその過程が楽しいもので、押井守監督の映画の中でも、文化祭の前日が舞台ですし、スターウォーズも公開前の方が盛り上がるのかもしれません。映画スタンドバイミーも死体を探しに行く過程が面白いのであって、死体自体についてはそれほど触れられていません。歌手の小沢健二さんは恋愛の歌の中で恋人といつか「結婚式を済ませて、子供たちを育てて、」とあり、その後に「金婚式、お葬式」まで歌い上げることで、その節目の重要性を感じていたのでしょう。
ただ、タレントの太田光さんがNHKの番組で言っていたのですが、人は意味のある世界でしか生きられないようです。今日が辛くても、明日はきっと何か良いことが待っている、という希望、明日を生きる意味を見出さないと、その絶望で人は生きていけない、と。
相対主義の蔓延で、絶対的なものが失われているからこそ、今を生きる術として過程に希望を見出しているのは一理ありますが、人の節目の行きつく先は死です。『メメントモリ』ではありませんが、節目を大事にして日々を邁進していけたらな、と思います。