「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.05.09

通園バスの安全装置設置義務化について

ゆびすい労務センターの内田 晴也です。
 
令和5年4月から、通園バスの安全装置の設置が義務づけられました。
 
保育園の通園バスに園児が取り残され死亡するという事件がおき、さらにその翌年にも、今度は認定こども園の通園バスで置き去りになった園児が、熱中症により死亡するという事件がおきました。
当時のニュースでは、「こどもの隣には空になった水筒が倒れていた」と報道され、この事件の痛ましさを物語っています。
 
これを受け、政府は再発防止策として『所在確認や安全装置の装備の義務付け』などの緊急対策を講じました。
この「安全装置」は、令和5年4月から設置が義務づけられ、現在は1年間の経過措置が取られています。
 
そのため、今後の行政監査等でも通園バスの安全装置の装備や安全管理マニュアルの備えなどの確認や内容説明を求められることが十分考えられます。
 
最後になりますが、通園バスの事故にかかわらず、保育事故の報告件数は年々増加しております(令和3年度報告:2,347 件(対前年+332))。
こどもたちの命を預かる職業として、通園バスの安全装置の設置と併せて、日頃の保育事故の予防と管理体制の点検を行っていただければと思います。
 
▼送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン ―国土交通省―
 
※また、上記のガイドラインに適合する製品であれば、設置したバス1台につき17万5千円の補助金を受けることが出来ます。内閣府から適合する装置のリストが公開されておりますので、ご確認ください。
 
▼安全装置のリストについて ―内閣府―
 
社会保険労務士法人ゆびすい労務センター 内田 晴也
 
 
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