温暖化ガスに続く国際問題として、「生物多様性」の問題が指摘されているようです。
しかし、生物多様性の問題について、去年政府が行ったアンケートでは、国民の62%が「知らない」と答え、24%が「言葉は知っているが、意味はわからない」と答えたそうです。
国民のほとんどがまだ知らない生物多様性問題ですが、1992年にはこの問題についての条約が交わされているようです。
まず、生物多様性とは何でしょうか?
簡潔に言うと、様々な種類の生物を守るためには、その生物が住む色々な自然を守る必要がある。なので、これらの多種な生物や環境を守ろうということです。
言い換えると、自然そのものを保全するということです。
それでは、なぜこれが問題なのでしょうか?
例えば、薬を開発するには、植物や昆虫、細菌、魚など多種にわたる生物の細胞などが使われています。
しかし、自然が破壊されれば、これらの薬を開発することができなくなり、機会を損なうことになります。
一方で、自然地帯への開発を制限すると、地元の人々は利益を失うことになります。
例えば、森を開発して施設を作れば儲かるかもしれませんから。
このように、双方の利益が反するため、問題なのです。
このような状況を解決するためある方法が条約で示されています。
それは、先進国が「お金を供給すること」です。
先進国も発展途上国も開発で利益を得たいのは同じです。
しかし、環境を破壊すれば、生物多様性問題に触れます。
そのため、先進国がお金を出し、破壊した分だけ他の場所に植林をしたりして、保全や再生に取り組みます。
そうすれば、環境も壊さずに、利益も受けられるということです。
これは、温暖化ガスの排出権取引に似ているものです。
温暖化ガスを出した分だけ、お金で排出権を買うという排出権取引と、考え方がすごく似ていると思われます。
生物多様性問題も、今後排出権取引のように注目され、ビジネスとなっていくかもしれません。
国際的な問題なので、日本も出遅れないようにしたいものです。
(上田純也)