「知」の結集 ゆびすいコラム

2022.07.05

クラウドファンディングの会計処理と税金

最近、クラウドファンディングで資金調達をされるお客様が増えています。クラウドファンディングには、「寄附型」「売買型」「投資型」の3種類があり、それぞれ受取時の会計処理と税金の取り扱いが異なります。このうち、「投資型」は金融商品取引法の規制の下で出資や融資を募る特殊な形態であるため、今回は、法人が「寄附型」と「売買型」で資金調達をした場合の会計処理と税金についてご説明します。
 
「寄附型」とは、支援者が見返りを求めることなく純粋に実施者を応援する目的で資金を提供する形態です。会計処理としては、プロジェクトのサクセス時(実施者が受け取る予定の金額が確定したとき)に受贈益として計上します。見返りを求めない給付のため消費税は不課税となります。 
①金額確定時:(未収入金)100/(受贈益)100 ・・・不課税
②入金時:(預金)100/(未収入金)100
 
一方、「売買型」は、クラウドファンディング実施者が支援者に対して、受け取った資金に応じた物品やサービスを提供する形態です。一般的な売買取引と同様に受け取った資金は売上になりますが、計上の仕方に注意が必要です。売上を計上するのは金額確定時(プロジェクトのサクセス)ではありません。まず、支援者からの資金が入金されたときに前受金として処理します。その後、物品やサービスを提供するタイミングで対応する金額を売上として計上していきます。消費税は、一般的な売買取引と同様に課税となります。
①金額確定時:処理なし
②入金時:(預金)100/(前受金)100
③各支援者へ物品サービス提供時:(前受金)20/(売上)20・・・課税
ただし、引き渡し有効期限切れのため物品・サービスが提供されなかった金額部分は「売買型」でなく「寄附型」と同じ扱いになります。
 
クラウドファンディングの会計処理や税金の取り扱いについてご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にゆびすいの担当者にご相談ください。
 
京都事業部 林優花
 
 
税 金