「知」の結集 ゆびすいコラム

2022.09.15

就労支援事業会計の運用ガイドライン

今回は、厚生労働省から公表されました「就労支援事業会計の運用ガイドライン」について記載します(以下「運用ガイドライン」といいます。)。
 
この「運用ガイドライン」は、就労支援の事業における会計処理について、会計処理の実例や留意すべき事項等を、網羅的かつ分かりやすく示すことで、就労系障害福祉サービス事業所等を運営する法人の会計処理が円滑に行われる一助となることを目的にまとめられたものであり、また、「運用ガイドライン」の活用により、実地指導時における都道府県等の担当者と法人との認識のずれの解消等も期待されているとのことです。※
 
基本的な考え方から共通経費の按分方法や勘定科目の説明まで分かりやすく記載されていますので、その内容の一部を紹介いたします。
 
◎製造原価と販管費の区分・・・P32
① 製品を製造販売する生産活動の場合
 製造業務と販売業務とを明確に区分して、それぞれの業務に係る経費に区分します。
 例えば、製造業務に携わる利用者の賃金・工賃は製造原価に、販売業務に携わる利用者の賃金・工賃は販管費に区分します(共通経費がある場合は、按分処理)。
② 製品の製造を伴わない生産活動の場合
 製造業務がないため、利用者の賃金・工賃も含めて、全て販売業務に係る経費として販管費のみに計上します。
⇒製造原価と販管費を区分する考え方が明確に記載されていますので、実務で区分しやすいです。
 
(注) 各指定事業所ごとの生産活動に係る年間売上高が5,000万円以下で、多種少額の生産活動を行う等の理由により、製造業務と販売業務に係る費用を区分することが困難な場合は、「製造原価」「販管費」の区分は不要です。
 
◎就労支援事業明細書の勘定科目の説明・・・P36~P38
 一例 【科目】受注活動費・・・【具体例】見込客へのDMなど受注するために必要となる活動費用
⇒勘定科目の説明のみならず具体例まで記載されていて分かりやすいです。
 
まだ読まれていない方がいらっしゃいましたら、日頃の会計処理で悩んでいたことが解決できるかもしれませんのでぜひ参考にしていただきたいと思います。
 
ガイドラインは、次のURLからダウンロードできます。
 
※出典 「就労支援事業会計の運用ガイドライン」について 令和4年4月7日 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部障害福祉課事務連絡 
 
和歌山事業部  奥野 和浩
 
 
教育・福祉事業