「知」の結集 ゆびすいコラム

2023.01.31

NISAの拡充と恒久化

令和5年度税制大綱が発表されました。
今回は税制大綱の目玉でもあるNISAの改正案をご紹介したいと思います。
NISAは個人の資産運用を後押しするための税制優遇措置で、NISA口座内で購入した株式及び投資信託の売却益と配当金が非課税となるものです。
今回の税制改正で、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されました。
【改正の背景】
日本の家計金融資産約2,000兆円のうち、現預金の占める割合は50%超である反面、株式及び投資信託の割合は約19%と、米国の約55%、英国の約42%と比べてかなり低いものになっています。家計の預金が投資にも向かい、持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を作る必要があるとして、NISA制度の拡充と恒久化が行われました。
 
以下、従来のつみたて型、一般型と改正案のつみたて枠、成長投資枠の比較です。
【現行制度】
選択可能な制度→つみたて型、一般型のいずれかを選択
非課税期間→つみたて型:最長20年 一般型:5年
年間投資額→つみたて型:40万円 一般型:120万円
非課税の生涯限度額→つみたて型:800万円 一般型:600万円
制度利用可能期間→つみたて型:令和24年まで 一般型:令和5年まで
売却枠の再利用→不可
 
【改正の内容】
 
選択可能な制度→つみたて投資枠、成長投資枠の併用が可能に
非課税期間→無制限
年間投資額→つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円 (併用により年間最大360万円投資可能)
非課税の生涯限度額→買付残高1800万円(うち成長投資枠1,200万円)
制度利用可能期間→恒久化
売却枠の再利用→可能
 
注意すべきポイント
・生涯非課税限度額は買付残高で判断(評価益を含めない)し、売却をしたのち買付残高及び投資額に余裕があれば再投資可能となります。
・ NISA口座内で損失が生じた場合、他の口座と損益通算を行うことができません。
・2019年に一般NISAで購入した商品は5年の非課税期間を終えると、2024年に課税口座(特定口座・一般口座)へ自動的に移されます。(現行制度から新制度へのロールオーバーは不可。)
(補足)ジュニアNISAは2023年以降終了予定
 
※令和5年税制改正大綱で発表された内容を記載しています。詳細などは後日発表されます。上記の内容が一部変更になる可能性もございます。
 
税制大綱に関して、まとめを弊社HPで掲載しておりますので、ご興味がある方はぜひ一度ご覧ください。
 
堺事業部 羽賀 友亮
 
 
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