「知」の結集 ゆびすいコラム

2009.07.15

太陽電池の問題点

環境問題を受けて、太陽電池の普及が拡大しています。

今年の税制改正では、居住用家屋について省エネの工事したら、所得税額から控除できるという制度ができました。

また、7月1日には「エネルギー供給構造高度化法」が成立し、太陽電池で発電した電気を、現在の2倍の価格で電力会社に買ってもらうようにするみたいです。

現在、家庭で太陽電池を設置したら、200万円程かかるようです。そして、仮に補助金をもらったとしても、投資の回収に20年程かかるのが現状です。しかし、発電した電気が2倍で売れれば、投資の回収期間も短くなります。こうなると、ますます太陽電池の普及が拡大するでしょうね。

しかし、これにも問題が指摘されています。回収期間が短くなるのは、故障しなかった場合の話で、故障すると投資が増えて、回収期間は長くなります。

実際、13%の確率でパネルを替えなければならないという話もあります。メンテナンス不要という文句で宣伝されているみたいですが、意外と故障も多いみたいです。

国内の大手メーカーは「10年保障」にしているみたいなので、10年以内の故障なら無償で交換可能です。だが、10年を超えると自分で負担しなければならないので、注意が必要です。

また、不具合が生じても、天気のせいで発電量が少ないと誤解してしまう危険性もあると言われています。これを解決するには、定期点検が必要ですが、実際点検しているところは少ないようです。これは、今後の太陽電池普及の課題でしょう。

環境問題を背景に、急速に普及している太陽電池ですが、まだまだ課題もあるようです。仮に早く投資が回収できて、損もせず、環境にもいいとなると完璧ですが、なかなかそうもいかないみたいです。

企業にとって、環境を守りながら利益を上げるというのは、相当な負担があることがうかがえます。しかし将来のため、今後もがんばってほしいですね。

(上田純也)