「知」の結集 ゆびすいコラム

2010.04.30

勇気ある撤退

事業の縮小や撤退というとマイナスなイメージが定着しています。

しかし、時には思い切って事業の縮小や撤退を決断することも必要なのです。

会社を潰すよりは絶対にマシなはずです。

とはいっても、実際に決断するとなると、色々なことを考えます。

そして、結局は事業の縮小や撤退に踏み切れない場合もあります。

そこで、踏み切れない主な理由を挙げます。

○ライバルに負けないため ライバル会社がしている事業なので、負けないように続けるということです。しかし、場合によっては、他社との対抗よりも、自社独自の経営方法を考えることも必要です。

○この事業で創業したから 自社が始まった原点の事業に愛着がわくのは当然ですが、今の時代には合っていないかもしれません。

○そのうち利益が出ると思っている 最初は利益が出ると思って事業を始めるものです。しかし、現実は違うかもしれません。どこかで線引きすることが必要です。

○シナジー効果がある 本当に事業を続けるに値する効果が得られているのか。冷静に見極めることが求められます。

○社員の受け皿がない 事業を撤退すれば、雇用がなくなります。今までがんばってくれた社員を切り捨てるのも、つらいです。

だけど、必要な場合もあります。

どの経営者でも、事業の今後を決断することは迷うものだと思います。

その中でも、縮小や撤退というと聞こえが悪いため、できるだけ実行したくないのが本音でしょう。

しかし、業績が順調でもそうでなくても、不採算の事業は放っておくわけにはいきません。

できれば、追い込まれてやむを得ない状況になる前に、対策を立てることが1番です。

これから日本は人口が減少していき、縮小の時代を迎えます。

今のうちに勇気を出して撤退することも、選択肢として考えてみてはいかがでしょうか? (上田純也)