厚生労働省によると、治療中のうつ病などの気分障害の患者数は、1999年の97.5万人から2008年の178.8万人と急増しています。
うつ病になると気分が安定しなくなり、休職などせざるを得ません。
こうなると、うつ病になった本人にとっても、雇っている企業にとっても損失です。
東京証券取引所の1部・2部上場企業の1925社を分析すると、従業員の7%が休職すると、12%の利益が圧迫するという結果が出たようです。
人数の少ない中小企業では、1人が休職することで多大な影響が出てくることも考えられます。
そのため、企業にとってもメンタルヘルス対策は重要になってきます。
それでは、メンタルヘルス対策にどのようなことをすればいいのでしょうか?
現在行われている対策として、3つほど、例を挙げます。
1、あえてノルマを作らない
2、数値化を徹底する
3、コミュニケーションの改善
1つめは、ノルマを作らないことは、企業にとってマイナスになると感じるかもしれません。
しかし、経営に終わりはなく着実に進むことが必要なので、無理をさせないことで、何事も続けることができるというのです。
そのため、ノルマを作らないで、無理をさせないことをメンタルヘルス対策としています。
2つめは、社員が受けたストレス診断の結果を具体的に数値化します。
これにより、数値によって社員のストレスが把握できるため、対策も立てやすくなります。
また、ストレスの要因も数値化できれば、職場からストレスを取り除くのに役立ちます。
3つめは、社内のコミュニケーションをより活発にすることで、メンタルヘルス対策とします。
社内のコミュニケーションとは、もちろん社員同士の会話を増やすなどもあげられますが、他にもあります。
社員が会社に業務改善の提案をすることで、社員に対して表彰があったり、反応が返ってきます。
人は誰からも必要とされていないと感じた時が、1番心の健康を崩しやすいという考えから、会社から社員に対してのコミュニケーションも充実させているようです。
現在はそれぞれの企業で様々なメンタルヘルス対策が行われています。
しかし、政府は2012年4月からストレス診断を企業に義務づける方向で検討を始めるようです。
具体的に決まったわけではありませんが、今後話し合いが行われていくようです。
政府が動くことになれば、今後メンタルヘルス対策はさらに重要視されるでしょう。
不景気が続けば、うつ病患者も増えるかもしれません。
今までは、あまり関心がなかったとしても、今後は考える必要が出てきそうですね。
(上田 純也)