「知」の結集 ゆびすいコラム

2011.07.19

超音波で骨折治療

骨折に新たな治療方法があります。それが、超音波治療です。

これは、なるべく早く骨折を治したい場合に使う方法で、ベッカムや松井秀樹などのスポーツ選手も利用したようです。

具体的な治療法ですが、まず、骨折した部分を正常な位置治し、ギブスで固定します。

その後、医療機関で貸し出された専用の装置で、自宅で1日20分ほど超音波を当てます。

とても簡単な治療法ですが、従来の方法よりも約4割も治療期間が短くなることが実証されています。

それでは、なぜ超音波で骨折が早く治るのでしょうか? 答えは、骨は物理的な刺激で治りやすくなるからです。

例えば、松葉杖で折れた脚を地面につかないで過ごすより、少しつけて歩く方が治りが早いようです。

このように、刺激を与えることが治癒を早めるため、超音波が有効なのです。

超音波を当てるといっても、特に人が感じるものではないので、痛み・かゆみはありません。

しかし、治癒を早める詳細なメカニズムはまだ解明されていないようです。

実際、この方法で治療するには、部位や状態によって健康保険が適用できるケース、先進医療になるケース、自由診療になるケースがあります。

全額自己負担になると、高額な治療費がいるので、この方法を使うかはケースによるでしょう。

この超音波治療は、効果が表れない場合もあるようなので、注意が必要です。

しかし、ケガや病気が1日でも早く治ってほしいのは、誰でも同じです。

今後も、医療が発展することで、少しでも危険が無くなればいいですね。

(上田 純也)