「知」の結集 ゆびすいコラム

2011.10.20

キャッシュフロー経営

うちの会社は利益がでているから安心だと思っていても資金管理を誤ると倒産するケースがあります。

例えば、普段、売上、仕入れ共に掛取引で、売上の回収期限が2ヶ月、仕入れの支払期限が1ヶ月の取引が行われており、今月に売上が100円(原価50円)あったとします。

この場合の今月の利益は、売上高100?売上原価50=50となりますが、キャッシュフロー(実際のお金の入出金)はゼロとなります。そして翌月に到来する仕入れの支払期日にお金が手許になく、支払えないという事態が起こってしまえば、倒産してしまいます。これがいわゆる黒字倒産です。

取引数が少なければ頭の中で処理することができますが、得意先によって回収期限が異なったりするなど複雑で頭の中で処理しきれないのが現状であるかと思います。

そこで、お金の流れをチェックすることができるツールとしてキャッシュフロー計算書があります。キャッシュフロー計算書とは、一定期間における会社のお金の流れを、3つの活動区分別に表示したものです。3つの区分とは「営業活動によるキャッシュフロー」、「投資活動によるキャッシュフロー」、「財務活動によるキャッシュフロー」をいいます。3つの区分は、それぞれ以下のことを表しています。

?営業活動によるキャッシュフロー…企業本来の営業活動から生まれるお金の増減 ?投資活動によるキャッシュフロー…設備投資や株式投資等に伴うお金の増減 ?財務活動によるキャッシュフロー…企業の資金調達活動におけるお金の増減 営業活動から多くのお金を生み出し(上記?がプラス)、そのお金を投資活動として積極的な設備投資に支出(上記?がマイナス)し、それでも余剰があれば財務活動において借入金返済や株主還元としてお金を使っている(上記?がマイナス)というパターンが会社にとって1番理想的です。財務基盤がしっかりしているところは不景気であってもすぐに倒産してしまうということはありません。

すでに資金管理ができているところは問題ありませんが、まだ管理できていないところは一度ご相談下さい。

(宮永 淳平)