「知」の結集 ゆびすいコラム

2012.06.15

経営セーフティ共済を利用しての節税効果

平成23年10月1日より経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)が改正されました。

すでに今回の改正に対応されている事業者の方も多いかと思われます。

ここでは、法人利用を対象として節税効果としても非常にメリットが高い商品であることを検証してみます。

今回の改正のポイントは次の3点が挙げれます。

?最高8000万円まで無担保無保証で借入 ?掛金積立限度額の引上げ 320万円→800万円 ?掛金月額の上限の引上げ  8万円→20万円 まず、注目すべきなのは?の掛金が2.5倍に増え全額損金になるという事です。

40ヶ月以上納めれば掛金全額が戻ってくるので積立をしながら節税もできることになります。

次に、平成24年4月1日開始事業年度以降の実効税率が40.69%→35.64%(東京都)と約5%下がっています。

今回の掛金を5年後に解約しても5年後の実効税率は現在より5%低いことからその分手元に残る。

定期預金に預けていても0.03%の時代の中でこの5%は魅力的に感じますね。

さらに、支払は月々でも構わないが前納が可能です。前納とは先払いをすることで向こう1年分を支払うことで支払額が全額損金にすることができます。例えば、6月決算の会社が6月に来年5月までの掛金総額240万円支払うことにより6月の損金になります。ただし、2年分を前納した場合等は6月分の20万円しか損金となりません。

その上、前納した場合には前納減額金(前納による割引金)を受け取ることができます。

減額金の算式は 掛金月額×1,000分の5×(前納月数の累計)です。

例えば月20万円の1年分の前納では6.6万円戻ってくることになります。

このようにうまく利用すれば節税効果だけでなく取引先の倒産による資金的な保障も得られさらにお金も増やすことも可能である。

加入資格を満たし借入の条件等に納得いくのであればこの機会に加入を検討してみてはどうでしょうか。

(野口 貴彦)