「知」の結集 ゆびすいコラム

2018.05.21

相続発生前3年間の贈与

相続税は亡くなった時点に保有している財産に課税されるものです。

そのため、亡くなる直前に贈与をして財産を少しでも減らそうとされる方は少なくありません。

しかし、死亡から3年以内の贈与はなかったことになってしまう規定があることをご存知でしょうか。

この規定に引っかかってしまうと、せっかく相続対策ができていると思っていても無意味になってしまいますので注意が必要です。

ただしこの規定、”相続人”以外には適用がありません。
いったいどういうことでしょうか。

まずはこの「相続人とは」というところから確認していきます。

・相続人とは
 この規定における相続人とは下記のいずれかに該当する者をいいます。
 ①法定相続人
 ②遺言により財産を取得する者
 ③死亡保険金の受取人となっている者

※法定相続人についての説明を始めるとそれだけで長文になってしまいますので今回は割愛します。

つまり、上記の「相続人」に該当しない者であれば、3年以内に贈与を行っても相続財産に加算されることはありません。

しかし、だからといって赤の他人に財産を贈与する方はいないですよね。

じゃあ実際はどのような方への贈与が多いのか。

ズバリ”お孫さん”です。

孫は法定相続人に該当しません。(ただし親が既に死亡している場合などを除きます)

そのため②と③に該当しなければ、孫への贈与は3年以内であっても、相続財産に足し戻されることはありません。

もし相続対策として生前贈与を検討されている方は、上記のような3年以内贈与の加算があることにご留意ください。

なお、1年間に110万円を超える贈与を受ける方は贈与税の申告が必要です。

無申告や期限後申告になってしまうと延滞税や加算税等のペナルティがかかってきますので、必ず期限内に申告を行いましょう。

相続専門部 中村圭吾

 
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