「知」の結集 ゆびすいコラム

2020.02.14

社会福祉連携推進法人(仮称)について

 現在、国は社会福祉法人の連携制度-社会福祉連携推進法人(仮称)の創設を検討しています。
 現役世代の減少が見込まれる中、複数の法人が事業の一部を協働化することにより事業の効率性を高めるとともに、サービスの質の向上につなげることを目指し、2019年4月から厚生労働省の社会福祉法人の事業展開等に関する検討会などで社会福祉法人の事業連携、経営の協働化・大規模化、合併等が議論されています。
 
 現行制度では、社会福祉法人間の連携方策において「社会福祉協議会や法人間の緩やかな連携」か「合併、事業譲渡」しかない点が課題となっています。「合併」は社福に限っていうと年間10~20件程度しか成立していません。
 良質な福祉サービスの提供と社会福祉法人の経営基盤の強化に向けた連携を促進するため、現行制度の狭間を補うことを目的に、社会福祉法人の自主性を確保しつつ、法的ルールの整った一段深い連携、協働化を可能とし、一部の業務で連携法人と社員との資金融通を限定的に認めるなどの特徴を有する新たな制度として検討が進められています。
 
現段階の最新情報をまとめると、以下の通りになります。
 
1.連携法人の認定
 (1)法人格は一般社団法人
 (2)所轄庁の認定が必要
2.機関設計
 理事会の設置(理事6名以上、監事2名以上)
3.社員の範囲
 (1)社会福祉事業を行っている法人、その他連携業務を行うもの(社会福祉従事者育成機関等)
    社会福祉法人、医療法人、NPO法人、株式会社などが想定される
 (2)社会福祉事業を行っている法人が2以上必要
 (3)社員の過半数が社会福祉法人であること
4.連携法人の経費
 (1)社員からの会費
 (2)社員からの業務委託費(事務委託など)
5.議決権
 (1)1社員1議決権
 (2)社会福祉法人の議決権の総数が議決権の過半数を占めることが必須
6.合併
 連携法人の合併は認められない
7.連携法人に参加するメリット
 (1)原則認められていない社会福祉法人からの貸付が連携法人を通じて可能となる
  (この貸付は、社会福祉充実残額算定上の控除対象財産)
 (2)スケールメリットで、様々な経費の調達コストを低くできる
 (3)人材採用がしやすくなる
 (4)参加法人間での職員の交流がしやすくなる
 (5)職員育成(研修など)を共同でできる
 (6)合併買収に比べ、連携が容易
8.制度化の時期
 未定(早くて2021年4月頃か)
 
※この記事は令和2年1月時点の情報を元に作成しております。
今後変更となる可能性も御座いますので、ご注意下さい。
※介護専門チームでは、この「社会福祉連携推進法人」をテーマに7/16堺本社にて外部向けセミナーを開催する予定です。
 
介護専門チーム 門原 慎也
 
教育・福祉事業