「知」の結集 ゆびすいコラム

2021.04.22

D&O保険には理事会決議が必要に!

平成29年の社会福祉法改正、令和2年の私立学校法改正により、社会福祉法人、学校法人においても、株式会社と同様に役員の責任が明確化されたため、それを機に役員等損害賠償責任保険(別名 D&O保険ともいいます)に加入される法人様も多くなったかと思います。今まで、この保険については、取り扱いが明確に定まっていませんでしたが、令和3年3月1日会社法改正に伴い、関連する法律も改正され、社会福祉法人、学校法人においても役員等損害賠償責任保険の取り扱いが明確化されました。
 
改正後は、役員のために法人が保険に加入をする場合、「理事会の決議をとること」が必須となりました。新規加入だけでなく、更新や変更の場合も、理事会決議が必要です。
 
<役員等損害賠償責任保険(D&O保険)とは?>
「役員に損害賠償責任が発生した時、その賠償金を保険金で填補するもの」を言います。
 
役員に損害賠償責任が生じる場面とは?
(1)役員が被害を受けた第三者から直接訴えられる
(2)役員が法人から責任を追及されて訴えられる
※運営する施設で問題が発生した場合、役員が経営陣の一員として責任を問われる可能性があります。
 
こんなリスクを負うなら、役員になるのはイヤだ!となりますよね。
そこで、法人がD&O保険に加入し、役員の訴訟費用、損害賠償費用を保険金で賄うことで、役員への就任のリスクを軽減し、役員のなり手を確保しようというわけです。
 
D&O保険の契約期間は通常1年です。
くれぐれも、更新の際の理事会決議をお忘れなく。
予算理事会や決算理事会など、決議の時期を決めておくのもいいのではないでしょうか。
 
司法書士 神田 雄樹
 
 
教育・福祉事業