「知」の結集 ゆびすいコラム

2022.07.21

中小企業経営強化税制の税額控除or即時償却

中小企業者等が経営力向上計画を提出して認可を受け、設備投資等を行った場合、中小企業経営強化税制の適用を受けることができます。
中小企業経営強化税制は固定資産の即時償却または取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除のいずれかを選択することになりますが、どちらを選択する方が有利なのでしょうか。
 
結論からお話すると、税額控除の方がトータルでは有利です。
 
即時償却はその期に取得価額の全額を償却することができますが、言い方を変えれば償却の前倒しでしかありません。
一方で税額控除は通常の償却+税額控除を受ける事ができるため、長い期間で見れば税額控除の分だけ得します。
 
しかしながら、キャッシュフローに着目した場合、即時償却が有利に働くことがあります。
 
即時償却をすることにより、費用算入額が大きくなるためその期の法人税等を大幅に圧縮することができます。
例えば1億円の設備投資をした場合、法人税率が約35%として、3,500万円の法人税を減らすことができ、税金が安くなった分投資の回収期間が早まりますし、再投資に回せば更に利益を追求することができます。
 
大規模な機械装置や建物付属設備などですと、法定耐用年数が長くなる傾向にあり、費用化に時間がかかりますので、キャッシュフローを重視するならば即時償却を選択するのも1つです。
 
償却期間が短い→税額控除 償却期間が長い→即時償却
を目安にしても良いかもしれません。
 
ものづくり補助金や再構築補助金等などの交付を受けて取得する資産も経営力向上計画を提出し認可を受ければ中小企業強化税制を受けられる可能性がありますので、合わせ技でキャッシュの支出を抑えて、最大限の投資効果を狙うことができます。
 
中小企業経営強化税制の適用をお考えの方はトータルの利を取るか、キャッシュフローを重視するか、どちらが自社の状況に適しているのか検討されてみてはいかがでしょうか。
その際は弊社担当がシミュレーション等のサポートをさせていただきます。
 
大阪支店 辰己
 
 
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